「断易占い」について

 
断易を一言で表現すると、「卦と月日の関係から吉凶を判断する」占いです。その吉凶の判断には、五行(及び干支)の関係を利用します。
1.「卦」


 「卦」は、「陰陽」の組み合わせからなる6個の「爻」(こう)で表します。
 「陰陽」は、主に、コインを3枚同時に振るか、サイコロ3個を同時に振り、3つの目の組み合わせで決めます。

 また、陽には、老陽と少陽(陽)、陰には、老陰と少陰(陰)があります。
 このアプリでは、サイコロプログラムを使ってサイコロの出目の組合せが、

奇数・奇数・奇数 の時は、老陽
奇数・偶数・偶数 の時は、少陽(陽)
偶数・偶数・偶数 の時は、老陰
偶数・奇数・奇数 の時は、少陰(陰)

としています。 
 この組合せは、64通りありますので、これを六十四卦といいます。そして、「卦」のそれぞれの「爻」には、「用神」 、「干支(五行)」、「世爻」及び「応爻」が割り当てられます。

 「断易」の「吉凶」は、占う内容に合う、用神を選択して、その用神の干支(五行)と月日の関係をみて判断します。
左図で、例えば金運を占うときは、「妻財」を用神とし、その「爻」右側の「酉(金)」が、用神の干支になります。  この「酉(金)」と、左上の月日(月建・日辰)の干支(寅(木)・午(火))の関係を見ます。
(本格的な断易は、もっと多角的に判断しますが、複雑に判断しすぎても、堂々巡りになるかもしれませんので、 吉凶の判断は上記の範囲で十分可能だと思います。)

 なお、日の干支は、日ごとに変わりますので、同じ卦でも、日によって吉凶は、違ってきます。これは、「卦」自体の持つ意味に よって占う、一般的な易(周易)とは、大きな相違点になります。

 
 

 
具体的な吉凶の判定項目について
このアプリでは、以下の4つの項目を総合的に判断し、「吉凶」を判定しています。

1.用神の旺相休囚について
  用神五行が、占った月(季節)に対して、「旺」「相」「休」「囚」「死」のどの状態にあるか。

2.用神の日辰に対する生剋合冲害について
  用神の五行及び十二支と、占った日(日辰)の五行及び十二支との関係が、「」「」「」「」「」のどの状態にあるか。

3.用神の月建に対する生剋合冲害について
  用神の五行及び十二支と、占った月(月建)の五行及び十二支の関係が、「生」「剋」「合」「冲」「害」のどの状態にあるか。

4.用神の日辰に対する対する十二運について
  用神の五行と、占った日(日辰)の十二支との関係が、十二運(長生、沐浴、冠帯、臨官、帝旺、衰、病、死、墓、絶、胎、養)のどの状態にあるか。



 
このアプリでの判定例
左図の卦で金運を占ったときを例に説明します。

金運を占うときの用神は、「妻財」(赤枠)です。
妻財の干支(五行)は、卦の右側にある「亥(水)」になります。

吉凶は、「用神(妻財)」と、左上の「月建」及び「日辰」との関係をみて判断しますので、

この「卦」では、「亥(水)」と「卯(木)」 及び、「亥(水)」と「申(金)」の関係をみます。
これらの五行と干支の相性を見て、
良ければ、「吉」、悪ければ、「凶」と判断します。

左図は、占い結果です。

各項目における用神の状態は、
1.用神の旺相休囚について 休囚 → 凶
2.用神の日辰に対する生剋合冲害について 生及び害 → 吉
3.用神の月建に対する生剋合冲害について 特記事項無し
4.用神の日辰に対する対する十二運について 長生 → 吉

上記、1.から4.を総合的に判断した結果、「中吉」としています。

以下、各項目の判定方法について説明します。

 
 

1.用神の旺相休囚について
 


用神の旺相休囚は、季節における用神の状態を表します。

用神の五行は、「水」で、「月建」の干支は、「卯」です。 「卯」の季節は「春(木)」になります。
これらを用神の旺相休囚の状態をあらわす表に当てはめると、「休」に該当します。(ピンク色のセル)
「休囚」は、用神の力が弱い状態ですので、「凶」と判断します。
(「休」「囚」「死」は、まとめて「休囚」と呼びます。)


2.用神の日辰に対する生剋合冲害について
 


最初に、五行における、用神と日辰の関係をみます。

五行の関係が、「生」「剋」のどれかに該当するか調べます。

用神の五行は、「水」で、日辰の五行は、「金」です。
「金」と「水」の関係は、「金生水」という「生」の関係があり、 「日辰」は、「用神」の勢いを強くしていますので、五行の関係は、「吉」と判断します。

 

 

次に、干支における、用神と日辰の関係をみます。

干支の関係が、「合」「冲」「害」のどれかに該当するか調べます。

用神の干支は、「亥」で、日辰の干支は、「申」です。
「亥」と「申」の関係は、「害」の関係がありますが、 「害」は、吉凶にはあまり関係ないとされていますので、干支の関係は、吉凶に影響しません。

これらを考慮して、この項目については、「吉」と判断します。

 

3.用神の月建に対する生剋合冲害について

上記、2.と同様に、用神と月建の関係をみます。

用神の五行は、「水」で、「月建」の五行は、「木」です。
「木」と「水」の関係については、「生」「剋」のどれかに該当するものはありません。 (水生木という関係がありますが、これは、月建(木)が用神(水)から、勢いを強くしてもらっている ことですので、「用神」の吉凶には関係ありません。)

用神の干支は、「亥」で、「月建」の干支は、「卯」です。
「亥」と「卯」の関係については、「合」「冲」「害」のどれかに該当するものはありません。

このため、この項目については、「特記事項無し」と判断します。


4.用神の日辰に対する対する十二運について
 
用神の五行は、「水」で、日辰の干支は、「申」です。
これを十二運の運行表に、当てはめると、「長生」に該当します。(ピンク色のセル)
「長生」は、十二運で一番良い状態ですので、「吉」と判断します。
 
 

 
用語解説
【月建(げっけん)、日辰(にっしん)】

 「占いをした月」を「月建」、「占いをした日」を「日辰」といい、「十干」と「十二支」で表します。
 「十干」は、「五行」の各要素が「陰」と「陽」に分かれたもので10種類あり、「十二支」は時間の推移を表し、12種類あります。
 例)2010年の1月1日は、「丁丑」月「辛亥」日と表します。「丁」と「辛」が「十干」で、「丑」と「亥」が「十二支」です。

 十二支を基準にした、月や季節などの関係は、下表のとおりです。

十二支
季節
十干
五行
陰陽
 子(ね) 12月 冬 壬(じん・みずのえ) 水 陽
 丑(うし)  1月 四季土用 己(き・つちのと) 土 陰
 寅(とら)  2月 春 甲(こう・きのえ) 木 陽
 卯(う)  3月 春 乙(おつ・きのと) 木 陰
 辰(たつ)  4月 四季土用 戊(ぼ・つちのえ) 土 陽
 巳(み)  5月 夏 丁(てい・ひのと) 火 陰
 午(うま)  6月 夏 丙(へい・ひのえ) 火 陽
 未(ひつじ)  7月 四季土用 己(き・つちのと) 土 陰
 申(さる)  8月 秋 庚(こう・かのえ) 金 陽
 酉(とり)  9月 秋 辛(しん・かのと) 金 陰
 戌(いぬ) 10月 四季土用 戊(ぼ・つちのえ) 土 陽
 亥(い) 11月 冬 癸(き・みずのと) 水 陰
 

 なお、月の区切りは、24節気を利用するため、1日が月の初めではありません。

 例えば、2010年の1月は、1月5日が小寒のため、1月5日から丑月(1月)となり、1月4日までは、子月(12月)となります。

 

【五行(ごぎょう)及び生剋(しょうこく)】

 五行とは万物は「木」・「火」・「土」・「金」・「水」の5種類のからなることを指し、それぞれの性質により、「生」と「剋」の関係があります。 「生」は、生む、伸びる、を意味し、相手の勢いの強くするため、「吉」と判断します。 「剋」は、生と反対に、いじめる、やっつけるを意味し、相手の勢いを弱くするため、「凶」と判断します。

「生」の関係及び意味

 木生火(もくしょうか):木は燃えると火を生む。
 火生土(かしょうど):火が燃えると灰となり、土が生まれる。
 土生金(どしょうきん):土の中から金が産出される。
 金生水(きんしょうすい):金が冷えると表面に水滴ができ、水が生じる。
 水生木(すいしょうもく):水によって木が育つ。

「剋」の関係及び意味

 木剋土(もくこくど):木は土中に根を張り、土から養分を奪いとる。
 土剋水(どこくすい):土は清らかな水を濁らせる。
 水剋火(すいこくか):水は火を消す。
 火剋金(かこくきん):火は金属を熔かす。
 金剋木(きんこくもく):金属の斧や鋸は木を切り倒し、傷つける。

 

 

 

【用神(ようじん)】

 用神とは、占いの主体となるものです。占う内容に合わせて、

「父母(ふぼ)」「兄弟(けいてい)」「子孫(しそん)」「妻財(さいざい)」「官鬼(かんき)」と

「世爻」(せこう)と「応爻」(おうこう) の中から最適なものを選択します。

卦の右側に表示してある干支は、その用神の十二支(五行)です。

例えば、お金の事を占うときは、4爻目の「妻財」を用神とします。この選択を間違えると、正しい結果が得られませんので、用神の選択は非常に重要です。
なお、このアプリでは、占いの項目事に、アプリ内部にて用神を設定してありますので選択は不要です。(「想い事を占う」を除きます。)

【用神の選択について】

用神を選択するときは、下記を参考にしてください。

《父母》:父母、祖父母、目上、先生、書籍、学問、衣服、不動産、印鑑、乗り物、電話、インターネットを占うとき
《兄弟》:兄弟、姉妹、同僚、競争者、同業者を占うとき
《子孫》:自分の子供、孫、門弟、医者、薬、僧侶、弁護士、楽器を占うとき
《妻財》:男性からみた異性(妻、恋人)、金銭、財産、株、物価、宝石、失せ物、日用品、食物、物品、機械を占うとき
《官鬼》:自分を拘束するもの、自分に威圧や害を加えるもの、女性からみた異性(夫、恋人)、夫の姉妹兄弟、夫の親友、病気、仕事、上司、天変地異を占うとき
《世爻》:自分のこと、勝負占いでは、味方を占うとき
《応爻》:相手のこと、勝負占いでは、対戦相手を占うとき
 

 

【旺相休囚(おうそうきゅうしゅう)】

春夏秋冬における用神の五行の運気の強さを表します。 運気の強さは、「旺」「相」「休」「囚」「死」の5種類あります。「旺」、「相」の順に吉と見ます。
「休」「囚」「死」は、まとめて、「休囚」と呼び、凶と見ます。
ただし、休囚していても、日辰に臨むとき(用神と日の十二支が同じ)は、旺相と見ます。

 

 

 

【合(ごう)】

十二支の関係で判断します。
「合」は、協力する、くっつく、離れない等の意味があり、占う内容にも因りますが基本的には、吉と見ます。
また、「合」には「生」の関係にあるもの(生合)と「剋」の関係にあるもの(剋合)の2種類あります。
五行では「剋」は、凶ですが、用神が休囚していなければ、剋合も、吉と見ます。

 

 

 

【冲(ちゅう)】

十二支の関係で判断します。ちょうど反対側に位置する干支どおしの関係です。
「冲」は、ぶつかる、はね飛ばすという意味があり、凶と見ます。また、「冲」は「剋」の作用よりも強いと考えられています。

 

 

 

【害(がい)】

十二支の関係で判断します。合に対して、垂直に交わる干支の関係です。
「害」は、妨げるという意味ですが、吉凶にはあまり関係ないと考えられています。

 

 

 

【十二運(じゅうにうん)】

新田津を使います。 「十二運」は、五行の旺衰(運気の強さの変化)を十二支の盛衰で表したものです。長生、沐浴、官帯、臨冠、帝旺、衰、病、死、墓、絶、胎、養、の12通りありますが、 断易では、「長生(ちょうせい)」「帝旺(ていおう)」「墓(ぼ)」「絶(ぜつ)」の4つを使います。「帝旺」「長生」の順に吉と見ます。「墓」「絶」は、凶と見ます。