1.はじめに

このアプリの目的は、競馬で資産運用を行うことです。ここでは、その方法及び理論について説明します。 　資産運用の方法は主として、「マーチンゲール法」を用いて高倍率のオッズの馬券に投資することにより資産運用を行います。「マーチンゲール法」は、競馬では、「追い上げ法」と呼ばれます。 　追い上げ法は、外れが続いても、1回的中すれば、過去の損失金を取り戻して更に利益が出る投資法ですが、外れが続き過ぎると、投資額が雪だるま式に膨らむため資金が足りなくなる可能性があります。 　しかし、高倍率のオッズの馬券に投資することにより、投資金額を抑えてそのリスクを軽減することができます。 　左図は、追い上げ法を用いて、2016年のJRAの全レースに対して、オッズ10番人気馬券に投資した時の運用結果を示したものです。 　これを見るとたった699,100円の最大運用経費で、456,020円もの収益をあげることができたことがわかります。 　以下にその方法の詳細を説明します。

　

2.追い上げ法の事例

　例えば、100円の収益を得るために、オッズ2倍の馬券に投資して、20回目まで外れ続けた時の投資額は、1回目100円から始まり、20回目には 52,428,800円になります。（下表参照）

回数	1回目	2回目	3回目	4回目	5回目	6回目	7回目	8回目	9回目	10回目	20回目
投資額	100	200	400	800	1,600	3,200	6400	12,800	25,600	51,200	52,428,800
投資額計	100	300	700	1,500	3,100	6,300	12,700	25,500	51,100	102,300	104,857,500

　

　次に同様にして、100円の収益を得るために、オッズ20倍の馬券に投資して、200回目まで外れ続けた時の投資額は、1回目100円から始まり、200回目には1,605,300円になります。（下表参照）

回数	1回目	2回目	3回目	4回目	5回目	10回目	20回目	50回目	100回目	150回目	200回目
投資額	100	100	100	100	100	100	200	700	9,500	123,500	1,605,300
投資額計	100	200	300	400	500	600	2,100	13,600	189,000	2,469,300	32,104,600

　

　ここで、オッズ2倍とオッズ20倍の投資額を比較してみます。オッズ2倍の時、20回目の投資額は、52,428,800円（計104,857,500円）です。
　あくまでも、単純な確率論的に比較をすると、オッズ2倍の時、20回目まで外れる確率は、オッズ20倍の時、200回目まで外れる確率と同等になります。
　オッズ20倍の時、200回目の投資額は、1,605,300円（計32,104,600円）となるので、両者を比較すると、オッズ20倍の時は、投資額は、3/100、投資額計は、3/10　になります。

つまり、理論的に高倍率のオッズの馬券に投資するほど、「追い上げ法」のリスクを減らすことができます。

3.実際のレースでの検証

　そこで過去のレースでオッズの人気順で「追い上げ法」を行なったらどのような結果になるか検証してみます。これは、本アプリの「４過去レースの分析」で行うことができます。
　検証方法は、指定したオッズ人気順位の馬券を全レース買い続けた時の収益や投資額等の推移を比較してみます。

　・使用するデータ:【2017】
　・会場:【すべて選択】
　・目標収益:【複利】、【100円】※複利については、後述します。
　・買い方:【１点買い】
　・オッズが【1.0】倍未満のレースを除くに設定し、
　【　 】番人気の欄に、【 1 】番人気から【10】番人気までの人気番号を入力します。

入力例	shimamo（しまも） 1st single チャックシメゾウ 　 　 shimamo world Ver.2 4/27、5/25、6/22

　

　各オッズの人気順位毎に実行し実行結果を比較すると、オッズの人気順位と最大運用経費等の関係は下表のようになります。

オッズ 人気順	平　均 オッズ	的中回数	収益の合計	最大運用経費 （投資額計）
1番人気	2.64	1141	416,000円	360,639,200円
2番人気	4.56	620	446,950円	147,211,200円
3番人気	6.60	464	462,770円	6,484,300円
4番人気	9.40	309	461,860円	1,421,000円
5番人気	13.05	249	481,010円	5,407,300円
6番人気	18.15	182	471,390円	1,479,900円
7番人気	25.22	131	464,050円	2,084,100円
8番人気	35.09	88	439,800円	14,793,900円
9番人気	47.37	69	457,620円	2,715,000円
10番人気	63.12	68	484,590円	460,800円

　ここで、オッズ1番人気とオッズ10番人気の馬券を全レース買い続けたときを比較してみます。
　すると、オッズ1番人気では、416,000円の収益を得るためには、360,639,200円の最大運用経費が必要ですが、オッズ10番人気を全レース購入すると、460,800円の運用経費で、484,590円の収益を得ることができます。運用利回りは、105.2%

　参考までに、2016年にオッズ10番人気を全レース購入すると、699,100円の運用経費で、456,020円の収益を得ることができます。運用利回りは、65.2%（詳細はアプリにて確認願います）
　

4.複利と単利

　ところで、目標収益の項目に、複利と単利がありますが、このアプリの最大の特徴は、複利・単利という投資法です。
　馬券を購入する時は、賭けをするレース毎に、オッズと賭金から収益を設定することが一般的だと思います。つまり、レース毎に収益を設定することを単利「１レース単位で利益を得る」
　本アプリで複利とは、いわゆる金融用語ではなく、「一度の的中で複数回分のレースの利益を得る」という意味で使用しています。「複数回分の利益」から「複利」と名付けました。
　具体的には、1レース毎の目標収益を決めて、その収益を得るための投資金額を決定します。この方法により的中確率（回数）に関係なく目標収益を設定することができます。

　例えば、1レース毎の目標収益を100円に設定し、年間3,000レースに投資すれば、複利では約300,000円の年間収益を得ることができます。なお、単利のときは、的中確率（回数）により、収益が決定します。
　

5.複利のメリット 　

　複利のメリットは、年間の収益見込みを立て、資金を計画的に運用できることです。

　また、条件次第ですが、同じ収益を見込んだときの投資額を低く抑えることも可能です。
　このことについて、下記の条件を設定して説明します。

　1.　オッズが10倍（確率が1/10）の馬券に投資する。
　2.　1レース毎の目標収益を100円に設定する。
　3.　1回目から9回目まで連続で外れて、10回目に的中する。
　4.　便宜的に胴元の取り分は０とする。

　この条件で目標収益等は下表のとおりとなり、10回目に的中すると、1,000円の収益を得ることができます。
（実際には、収益 ＝ 投資額(300) × オッズ(10) ー 投資額計(1700) ＝ 1,300円となります。）

回数	1回目	2回目	3回目	4回目	5回目	6回目	7回目	8回目	9回目	10回目
目標収益	100	200	300	400	500	600	700	800	900	1,000
投資額	100	100	100	100	100	200	200	200	300	300
投資額計	100	200	300	400	500	700	900	1,100	1,400	1,700

　

　一方、単利では、複利と同条件で、9回連続で外れて10回目に的中した時に、1,000円の収益を得るためには、下表のように投資する必要があります。
（実際には複利と同額の、収益 ＝ 投資額(400) × オッズ(10) ー 投資額計(2,700) ＝ 1,300円となります。）
（オッズが10倍（確率が1/10）の時は、的中するのは10回に1回となるため、10回目に当選したとします。）

回数	1回目	2回目	3回目	4回目	5回目	6回目	7回目	8回目	9回目	10回目
目標収益	1,000	1,000	1,000	1,000	1,000	1,000	1,000	1,000	1,000	1,000
投資額	200	200	200	200	200	300	300	300	400	400
投資額計	200	400	600	800	1,000	1,300	1,600	1,900	2,300	2,700

　

　このように、追い上げ法において、1,000円（オッズの関係で実際は、1,300円）の収益を得るための運用金額は、複利の方が低く抑えることができます。ただし、長期に渡り連続で外れた時は、複利の方が高くなることもあります。　

　なぜこのような結果になるかというと、複利の収益は、レース数で決まり、単利の収益は、レースの的中回数で決まるからです。
　

6.実際のレースでの検証

　このことについて実際のレース結果（2017年　3,431レース）で検証すると下表のようになります。単位:円

	複利				単利
オッズ 人気順	目標収益	収益合計	最大運用経費 （投資額計）	利回り	目標収益	収益合計	最大運用経費 （投資額計）	利回り	的中 回数
1番人気	100	416,000	360,639,200	0.1%	300	414,190	409,960,000	0.1%	1,141
2番人気	100	446,950	147,211,200	0.3%	600	465,200	185,738,200	0.3%	620
3番人気	100	462,770	6,484,300	7.1%	750	467,440	7,030,400	6.6%	464
4番人気	100	461,860	1,421,000	32.5%	1,150	464,840	1,671,100	27.8%	309
5番人気	100	481,010	5,407,300	8.9%	1,400	474,180	6,730,400	7.0%	249
6番人気	100	471,390	1,479,900	31.9%	1,900	479,520	1,692,900	28.3%	182
7番人気	100	464,050	2,084,100	22.3%	2,700	462,350	2,450,800	18.9%	131
8番人気	100	439,800	14,793,900	3.0%	3,900	437,920	16,783,900	2.6%	88
9番人気	100	457,620	2,715,000	16.9%	5,100	457,490	3,684,200	12.4%	69
10番人気	100	484,590	460,800	105.2%	5,100	484,330	473,400	102.3%	68

　上記の表において、複利の効果を比較しやすいように利回りの項目を追加してみましたが、いずれも、利回りはプラスとなっており、さらに、複利の方が大きくなっています。
　そして、驚くべきことに、オッズ人気順が10番人気の馬に投資した時に、利回りが、100%を超える結果となっています。
　単純に言うと、仮に2017年にJRAの全レース、オッズ人気順位が10番人気の馬券に投資したら、460,800円の資金で、資産が、945,390円（484,590円+460,800円）に倍増できたことになります。

　参考までに、2016年にオッズ人気順が10番人気の馬券に、1レース毎の目標収益を複利、100円に設定して投資した時の利回りは、65.2%になっています。

複利	単利

　ここで上記グラフについて、複利のグラフを用いて説明します。
　グラフは、横軸が投資したレース回数を、縦軸が収益を表示しています。
グラフは上昇と下降を繰り返しながら、確実に収益をあげていることが確認できます。
　オッズ人気順が10番人気の馬券の平均オッズは、63.37倍なので、10番人気の馬券のみ購入し続けると、ざっくり言って、63レースに1回的中することになります。ただし、確率は変動するので、10回外れた後に的中することもあれば、100回以上外れてから的中することもあります。
　外れが続くとグラフの線は、どんどん下降していきますが、的中すれば追い上げ法で投資しているため、それまでの損失を取り戻して、グラフの線は一気に上昇します。（的中した時点で、1レース毎目標収益×レース数の収益を得られるため）
　そのためグラフは、上昇と下降を繰り返していきますが、レースを繰り返していくと、最終的には、1レース毎の目標収益（ここでは100円）×レース数の収益を得ることができます。
　実際には、賭金が100円単位のため、目標収益よりも実際に得られる収益の方が大きくなります。

shimamo（しまも）ワンマンライブ　 shimamo world Ver.2 4/27、5/25、6/22